「平成21年度版食育白書」は今まで秋の臨時国会に提出していたが今回から5月の通常国会での提出とした。
今年の白書の特色は、過去に起きた食に関する事件・事故の事例をあげ、政府の対応をまとめている点。
内容は▽中国産冷凍ギョウザにより発生した中毒事件で、被害拡大防止のため国民への情報提供や輸入者への指導、関連業界への商品取扱いの禁止や商品撤去の点検などを行ったという対応策、▽非食用事故米の不正規流通事件では再発防止策として、新たな輸入業務と流通検査体制の開始、トレーサビリティを導入した対応策、などを解説した。
今までは事件・事故に対して取り上げが不十分とする批判が多かったことや、食育は食の安全・安心あってのものだという考えから詳しい事例を記載することにした。
また、18年度から22年度までの5年間を対象に政府が定めた食育推進基本計画の中で目標としている「メタボリックシンドロームに対する国民の認知度」、「食育推進に関わるボランティア数」は順調に増加していることが調査でわかった。とくにメタボリックシンドロームの認知度は計画目標である80%を超え、89.7%にのぼった。
一方で、朝食を欠食する20、30代男性の割合に減る傾向が見られないことや、推進計画の作成・実施をおこなう都道府県や市町村がいまだ少ないことが来年度までの課題だと指摘した。
ただし朝食を摂る子どもの割合は増加しており、文科省が推進している「早寝早起き朝ごはん」運動の効果とみている。(表参照)
食育基本法が制定されてから「食育」という言葉や意味の周知度は年々増加しており、食育に関する新聞記事の掲載数も増加していることがわかった。