農政・農協ニュース

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飼料用米飼育の鶏肉を販売 パルシステム

生協のパルシステム連合会は、飼料用米を配合した飼料で飼育した鶏肉を5月25日から販売開始した。昨年2月から販売している「こめ豚」も好調だ。

 パルシステムは5月25日から、飼料用米を配合した飼料で飼育した鶏肉の販売を開始した。この鶏肉は、パルシステムの産直産地である岩手県の「までっこチキン生産者連絡協議会」で飼育されたもの。飼料は通常、65%がトウモロコシだが、仕上げ期に給餌する飼料の10%を米に転換して配合する。配合期間は全60日の飼育期間の最後の20日間だという。初年度は8000羽の飼育を計画している。
 この「こめ鶏」は、子育てが終わった世代や子どものいない共稼ぎ世帯を対象としたカタログ「kinari」限定で販売される。モモ肉唐揚用(バラ凍結)が350g税込み598円。ムネ正肉が400g税込み418円となっている。
 「までっこチキン」生産者から出る鶏糞の一部は、飼料用米を生産するJA新いわてで肥料として活用されており、資源循環が確立されている。

◆こめ豚は昨年の倍に

 パルシステムで飼料用米への取り組みが検討され始めたのは平成17年。19年にJA北いわて(現・JA新いわて)とJAかづの(秋田県)の休耕田で飼料用米の栽培を開始。20年2月からこの米を給餌した豚肉「日本のこめ豚」シリーズを販売開始した。
 20年は2800頭を飼育したが、今年度は好評だったこともあり3500頭を計画。しかし、2?4月の販売状況が好調で前年比でおよそ2倍の供給高となっていることから、計画を上方修正したという。
 またパルシステムでは、トウモロコシをすべて米に転換した飼料での飼育試験も行っている。対象は豚肉と鶏肉で、味などがトウモロコシ配合とどう変わるのかなどを実証する。
 年内には実証販売されるだろうが、トウモロコシをすべて米に転換するとコスト的にも高くなることや実証試験で数量も少ないので、インターネットでの販売になるのではないかと推測される。

(2009.06.01)