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世界的な経済危機のなかで協同組合の価値・優位性をアピール

ICA理事会が特別決議

 11月の総会の準備のために6月2?3日に東京・JAビルで開催されていたICA(国際協同組合同盟)理事会は、JJC(日本協同組合連絡協議会)が提案した世界的な経済危機のなかで協同組合の価値とそのビジネスモデルの優位性をアピールする特別決議を全員一致で採択した。

左から、宮田勇ICA理事、ポーリン・グリーンICA副会長、イアン・マクドナルドICA事務局長、土屋博JJC代表幹事(全中常務) この特別決議は、世界的な経済危機のなかで「投資家が所有する企業よりも、協同組合がこの危機に対して弾力性に富む」とし、現在の状況のなかで「自発的・民主的なビジネスモデルである協同組合の価値について」社会的に共有し、組合員の生産活動とくらしを守るために以下の6点(要旨)を実践していくというものだ。
1.協同組合の価値を認識し、協同組合原則に則った組織・事業運営を行う。
2.協同組合の経営に万全を期し、一層の高度化、効率化を目指し、新しい事業の目を育てる。
3.地域の人びとと協力し、雇用の維持・創出、コミュニティの持続可能な発展に尽力。
4.協同組合の価値を広く伝え、新規加入と事業の利用・参加・参画を促進する。
5.多様な連携・ネットワークを構築し、新たな協同の輪を広げる。
6.大きな影響を受ける開発途上国に対する協力活動を拡充する。
 記者会見で、宮田勇ICA理事(元全中会長)は、日本の提案はICAの「全理事の考えと一致し賛同をえた。11月の総会にも提案されることになった」と経過を語った。
 ポーリン・グリーンICA副会長は「世界的な経済危機のなかで、協同組合のビジネスモデルがいかに有効かを示しており、時宜をえた提案だった」。
 イアン・マクドナルICA事務局長は「協同組合は危機を生き残り成長できる優位性をもったビジネスモデルであり、協同組合にとっていまはチャンス」だと語った。

(写真:左から、宮田勇ICA理事、ポーリン・グリーンICA副会長、イアン・マクドナルドICA事務局長、土屋博JJC代表幹事(全中常務)) 

(2009.06.05)