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JA全中が米国へ代表団派遣 WTOで意見交換

JA全中は茂木会長を団長とする代表団を米国に17日から派遣する。WTO交渉の動向をにらみ政府関係者、農業団体などと意見交換する。

◆11月に閣僚会合開催

 WTO農業交渉は昨年12月の閣僚会合開催の見送り後は、米国のオバマ新政権の交渉姿勢や体制がいまだ明確でないことやインドの総選挙などもあり、目立った動きはない。
 米国のカーク新通商代表は5月にジュネーブを初めて訪問し、ラミー事務局長や主要国の大使などと会談したが、米国の貿易政策の基本方針について「7月上旬のイタリアでのG8サミットまでには明確にできる」と語ったという。ただ、現時点ではまだ交渉実務を担う農業主席交渉が決まっていない状況だ。
 こうしたことから、WTO交渉は欧米が夏休みになる8月末までは大きな動きはないとみられている。
 一方、WTOは5月の一般理事会で11月3日から3日間の日程で
閣僚会合を開くことを正式に決めた。これはWTO協定上、2年に1度開催することになっているため。しかし、9月にはニューヨークでG20金融サミットが予定され、世界経済の回復状況や米国、インドなどの首脳らの意向によっては11月の閣僚会合に向けて大きなヤマ場がつくられることも想定される。

◆米国のコメ連合会などと意見交換

 交渉が早期妥結に動くのか、長期化するのかは依然不透明な状況だが、JAグループは情報収集や農業団体との意見交換、働きかけの強化は不可欠だとして6月17日から22日にかけて米国に代表団を派遣する。
 代表団は4月に就任したフィルブルック農務省次官や、ストールマン米国ファームビューロー連盟会長や、米の生産者団体や精米業者などで構成する米国コメ連合と意見交換する。また、カリフォルニアの米地帯も視察する予定。
 代表団は日本農業の現状と各国の多様な農業の共存の重要性を訴える。代表団参加者は以下のとおり。茂木守JA全中会長、畠山正夫JA全中副会長(青果対策委員会委員長)、川井田幸一・畜産酪農対策委員会委員長、飛田稔章・畜産酪農対策委員会酪農委員長、中野吉實・水田農業対策委員会委員長、冨士重夫JA全中常務。

(2009.06.15)