『野菜と花 タネのひみつ』は、普段野菜や花に接していながら、知る機会が少ない種苗会社の役割や仕事内容を、174年の歴史をもつ種苗業界のリーディングカンパニーが、子どもたちにマンガで紹介するもの。
タネの基本的な話だけでなく、種苗会社がタネをどのように管理・供給しているか、ブリーダー(育種家)を中心とした品種の創造と改良、生産者の栽培と苦労や育てることの大切さなどが主な内容。
日頃なにげなく接している野菜や花の成り立ちや、野菜では「病害虫に強い」、「たくさん収穫できる」、「味がよい」、花では「新しい花色の追加」、「咲く時期の延長」などを目標に研究を行い、10年以上の期間をかけて1つの新しい品種を生みだしていることなどが詳しく描かれている。
【解説】
「食育」は、食料の生産方法やバランスのよい摂取方法、食品の選び方、食卓や食器などの食環境を整える方法、さらに食に関する文化など、広い視野から食について教育する取り組み。
平成17年7月、家庭や学校における食育の推進、伝統的な食文化の継承、生産者と消費者の交流促進などを目的として「食育基本法」が施行され、食に関する教育のあり方を定めた。
種苗業界も子どもたちの将来と日本の農業の発展に寄与する「食育」活動を積極的に推進している。
本書を通じて、子どもたちが農業への理解を深め、人間にとって欠かせない食と農の重要性と可能性を知ってもらう一助になることを、本紙でも切に願う。