「牛肉コロッケ原料偽装、鳴門産わかめ産地偽装、そして手作り餃子十台中毒事故、その後も続く商品事故は、全国の生協が長い年月をかけて築き上げてきた食品の安全体制に対する信頼、特にコープ商品に対する信頼を、根底から揺るがしました。これらの事故により、全国の生協の事業や活動は、大きな打撃を受けました。」
6月18日、19日に開催された日本生協連総会に提案された「全国生協の2008年度活動のまとめ」はこうした文章で始っている。
さらに、リーマンショックとその後の経済危機によって、組合員の暮らしの危機・生協の事業経営の危機にいま直面していると山下俊史会長は記者会見で述べてた。
そして09年度の課題は、
▽コープ商品の品質保証体系の再構築・強化による「足元固め」
▽経済危機・暮らしの危機・生協の事業経営の危機という「3つの危機」に真正面から立ち向かう。そのためにコープ商品の価格を含めた改善と組合員を増やしその期待に応えていく。
▽「2010年ビジョン」が餃子事故で足踏みを余儀なくされたが、この先の10年15年長期的展望についての検討を開始する。
の3つであると語った。
また農業問題について「農業の再生と農地のフル活用は大きな政策的課題である」とし、05年に「消費者視点」かた「日本農業への提言」をしたが、その後の社会・行政の変化を踏まえたうえで「何としても産地偽装のないフードチェーンと品質管理体系をつくる立場から、自らの課題としてとらえ直して農業再生への期待を表明」すると語った。
その際の一つの視点として産直が「分かりやすいキーワード」だとし、「産直を通してどう農業再生に関われるかを考える」とも語った。新任の専務理事に宮城生協理事長だった芳賀唯史氏が就任したことでもあり、今後の日本生協連の施策にどのような影響がでるか注目したい。