西日本を中心とした秋まき厳寒期どりレタスで、土壌伝染病の難防除病害・レタスビッグベイン病が兵庫・賀川をはじめ多数の県で発生し、現在も発生面積が拡大している。
抵抗性品種の利用は病害対策として有効で、現在は民間種苗会社から「ロジック」などの抵抗性品種がはんばいされている。しかし、レタスビッグベイン病の汚染度の高いほ場では、これらの品種の抵抗性は十分に発揮されず、収益の低下はさけられない。
農研機構では、既存品種より強い抵抗性をもつ高品質なレタス品種の育成を行ってきた。具体的には、既存品種のなかではレタスビッグベイン病に対してトップクラスの抵抗性をもつトンプソン(品質には問題がある品種)と秋まきの優良品種であるシスコ(この病害に罹りやすい品種)を交配し選抜と自殖を繰り返して高品質でレタスビッグベイン病に既存品種より強い抵抗性をもつ「フユヒカリ」の開発に成功した。
「フユヒカリ」は、ロジックと同等の収量および球の品質をもち、シスコより2割以上の増収が期待できるという。
昨年12月10日に品種出願登録が公表されており、今後は利用許諾契約を締結した民間種苗会社を通じて販売される予定になっている。
問い合わせは、野菜茶業研究所情報広報課
059-268-4626
または野菜茶業研究所HP
(写真)「フユヒカリ」収穫物の形状