「農山漁村ワーク・ライフ・バランス確立女性農業者セミナー」と題し、女性の参画は農業と生活のバランスが重要であるとして、その確立を目指して行った。
セミナーでは、秋田県大館市で直売所「陽気な母さんの店」友の会の副会長を務める石垣一子さんが講演した。
自身の経歴のなかで、JA若妻会5人のメンバーで手打ちそばの販売をはじめたことが現在の直売所のきっかけだと話した。また、家族で農業を営む石垣さんは各品目の栽培に各自が責任を持つようにと「家族経営協定」を結んだことが男女共同参画への取り組みにつながったという。
直売所は施設をリースして運営し今年でオープン9年目を迎える。メンバー全員が参加し運営していくことにこだわり、売り上げは順調に伸びている。
直売所の活動は農産物販売にとどまらず、食堂で地産メニューを出したり、野菜セットの宅配、給食材料の提供、郷土料理の体験受け入れ、など体験交流型なのが特徴だ。郷土料理体験は2日で定員となる人気。安全な地元食材という高い信頼から学校給食の注文も増え、市内7校の3500食分を提供している。
石垣さんが経営を通して得たと感じていることは▽がんばった形跡が目に見えること、▽交流を通して「おいしかった」「楽しかった」という声が心の栄養になっていること、▽自分たちの裁量が十分発揮できること、▽自分たちの経営や暮らしがよく見えてきたこと、だという。
直売所は平成16年度全国農業コンクール全国大会最良賞(毎日新聞社主催)、平成19年度農山漁村女性チャレンジ活動表彰農林水産大臣賞を受賞している。
セミナーの最後に、JA全国女性組織協議会の佐藤あき子会長は「今回のセミナーで自分たちの地域にあったやり方を探してほしい。黙っていたら何もできない。地域の人々を動かす原動力につなげてほしい」と話した。
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「陽気な母さんの店」友の会 石垣一子副会長