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持ち寄ったお弁当を前に記念撮影
◆子どもの「生きる力」を育む弁当の日
「弁当の日」は子どもたちだけでお弁当を作るイベントだ。単にお弁当を作って食べるだけでなく、買い物を通して地元の特産品や旬の食べものなどを知り、弁当づくりを通して家族との団らんや地域、級友などとの絆を深めたり、人を思いやる気持ちを育むことなどが狙い。
JAグループでも「地産地消の推進につながる」「おいしくて安心・安全な国産農産物を子どもたちに選んでもらいたい」などの観点から、今年は「弁当の日」を「みんなのよい食プロジェクト」内で応援していくことを決めた。
JA全中、農林中金、全共連などすでに独自に「弁当の日」を実践している組織もあるが、さらにJAグループ全体で取り組もうと7月2日、全国連8連(JA全中、JA全農、農林中金、全共連、全厚連、家の光協会、農協観光、日本農業新聞)と関連会社の職員などが合同で「弁当の日」を開いた。
持ち寄ったお弁当を見比べたり自慢のおかずを交換しあうなど、参加した職員らは「弁当の日」を満喫。「大勢で食べるのは楽しい」「これからもこういう企画には参加したい」などと好評だった。
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本紙記者もお弁当を持ち寄って参加した、大勢で食べるごはんは楽しい
◆全国各地でシンポジウムを開催 JAと地方紙の共催で
この日は、共同通信情報企画本部次長の吉永憲氏が「弁当の日」の意義や現状などを紹介した。
「今は若い人たちが食を大事にしていない。子どもの頃から食べることの大切さを教えれば食を大事にする心と力強く生きる力が育つ。
JAと共同通信は協同で『食と農の研究ネット』を立ち上げ、地方新聞とも協力して『食と農のシンポジウム』を開いている。県連などとも協力して、各教育委員会などに実施校を増やすよう訴えていきたい」と述べた。
また「大都市圏では留学生がいたり、PTAの強い反対があったりで実施校を増やすのが困難。実施校の感想文コンクールや、子どもたちのお弁当紹介などのイベントを開いて、理解を得たい」と、今後の課題や展望を話した。
JAグループでは7月15日、東京・大手町のJAビル4階農業・農村ギャラリーに、九州弁当の日応援団の西日本新聞社佐藤弘氏を招いて、17時半から講演会を行う。
また秋以降は全国各地で地方新聞社と県中央会などが協力してシンポジウムを開く予定だ。現在決まっているのは次の通り。▽10月10日・宮城学院女子大学(仙台)▽12月13日・北海道共済ホール(札幌)▽1月31日・神戸新聞社松方ホール(神戸)▽2月28日・中国新聞社ホール(広島)。各会とも、提唱者の竹下和男氏の講演などが予定されている。
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吉田憲
共同通信 情報企画本部次長
【弁当の日】
2001年に香川県綾川町立滝宮小学校の竹下和男校長(当時)の提案で始まった。1日分の給食を休みにして、子どもたちだけで作ったお弁当を持ち寄って食べる企画。主に西日本が運動の中心だったが、宇都宮や千葉など関東でも市内の全小中学校で実施する自治体が出てくるなど、全国的に広がりつつある。企業や団体での実施も増えている。