農政・農協ニュース

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経常利益、計画上回る26億円 JA全農の20年度実績

 JA全農は7月14日に開催された経営管理委員会で、20年度の業務報告書案(決算)を決めた。

 それによると、20年度の取扱高は、5兆1740億円と計画比97%と計画を若干下回った。
 事業別には、米穀事業が19年度産米の前倒し販売の影響で販売数量が減少し7827億円と計画を5%下回った。園芸農産事業は、青果物価格低迷の影響から1兆1950億円と計画を5%下回った。
 畜産事業は、子牛価格の低迷の影響はあったが配合飼料価格の上昇によりほぼ計画通りの1兆1981億円の実績となった。
 営農・生産資材事業は、肥料などの価格上昇によって9253億円と計画を10%上回る実績となった。一方、生活関連事業は、原油価格の急激な低下や石油需要の減退により、1兆728億円と計画を10%下回った。
 
◆計画通り2%配当

 事業総利益は、園芸農産事業、生活関連事業の取扱高減少や石油・ガスの価格急落の影響による価格差損の発生により、計画を3%下回る1007億7400万円となった。事業管理費は、人件費・業務費・施設費をはじめ経費削減によって、計画より58億2400万円少ない1074億4400万円となった。その結果、事業利益は66億6900万円の赤字となった(計画では89億4200万円の赤字)。事業利益の赤字はこれで3期連続となった。
 しかし経常利益は、受取配当金の増加などがあり26億円と計画の3億6000万円を上回る実績となった。そして、計画外の生産コスト上昇による緊急対策の20億8100万円を特別損失として計上したが、計画外の固定資産処分益などを特別利益として計上。当期剰余金は30億1500万円(計画20億円)となった。
 最終的には31日の通常総代会で決定されるが、剰余金処分としては、出資配当を計画通り2%で実施するほか、災害対策、肥料協同購入、米穀価格安定などの任意積立などを行い、次期繰越剰余金は23億7900万円とした。

(2009.07.15)