最近の肥料を巡る情勢をみると、世界的な人口の増加や食生活の変化にともなう穀物など需要の増大を背景に肥料需要は年々増大するいっぽうで、その原料資源の産出国は偏在し、産出量も限られていることから、原料供給にひっ迫感が見られる。
また、バイオ燃料向け穀物の増産、鉱山事故などの追加的な要因も加わり、さらにひっ迫感が助長されたことにより、原料輸入国による買い急ぎが過熱し、昨年の原料市況の高騰を惹起した。
平成21肥料年度(平成21年7月〜平成22年5月)の国内肥料価格は、原料の国際市況や海上運賃の低下や円高などを反映して、20肥料年度当初価格から、1〜4割程度値下げ(平均値下げ率は農水省推計で約2割)となっている。
現場ではいま、局所施肥などの効率的施肥技術の導入、土壌診断の結果を踏まえた低成分肥料の使用、有機物効果的な利用による化学肥料の施肥量を減らすなど、地域に根ざした取り組みが行われている。