09年初まで悪化が続いた輸出・生産が、中国経済の堅調や、各種政策による下支えもあって3月以降は改善。景気の持ち直し基調が続いている。
ただし需給にギャップがあり、企業設備投資の減少が続いているほか、雇用調整が先行き消費支出の抑制方向に働き始めることも予想される。
さらに、これまで打ってきた政策効果が09年度下期には息切れする心配もある。
世界経済全体の回復も当面は緩やかと予想されることから、日本の回復テンポも非常に緩やかに推移するだろうと予測した。
物価面は秋以降、エネルギー関連の押し下げ効果は徐々に解消に向かうが、需給バランスが大きく崩れた状態が続くことから10年度いっぱいは物価下落が残ると予想した。
金融政策については回復を確かなものにするためにも長短金利を低位で安定させることが不可欠であり、日本銀行は粘り強く現行の緩和政策を続けることになるだろうと見た。