組織改革では、事故米問題の反省から業務監察や会計監査、政策評価と国民目線での政策決定プロセスの確保などを一体的に行う「農林水産行政監察・評価本部」(仮称)を農林水産大臣のもとに新設する。
本部長は局長級の職員が就く構想。合わせて業務監察や会計監査などに外部有識者の意見も聞く合議制諮問機関を置く。
また、広報と報道を一体化させ、現在の政策報道官を「報道官」とする。
研究から普及までを戦略的に行う体制を整え、環境政策も担当するため、農林水産技術会議を見直し、大臣官房に「技術・環境政策部(仮称)」を新設、4課体制とする予定。
総合食料局と生産局も見直す。食糧部を廃止し、米麦の需給調整・備蓄運営のほか、大豆も含めた水田農業と園芸作物の生産振興を担当する食料生産局を新設する。
同局には現行の畜産部がそのまま移行し農畜産物の生産振興全体を計12課体制で行う。
同時に「資源産業局」も新設。農林水産業に由来する資源を利活用するバイオマス政策の推進、知的財産対応、農商工連携、輸出促進など新たな分野や、農産物流通、食品産業振興などを担当する。 新組織では米麦の売買は食料生産局と地方農政局が行い、米トレサービリティなど流通監視業務は消費・安全局に移管する。
地方組織では、現行の地方農政局-地方農政事務所-地域課、統計・情報センターの3段階組織を簡素化し「地方農政局-地域センター(仮称)」の2段階とし、これにともなって地方農政事務所は廃止する。
米麦の売買は地方農政局は行うが地域センターは行わない。
現在346拠点ある地方出先機関を65拠点に集約し、食品表示の適正化、食の安全確保、経営所得安定対策の窓口業務を行う。