会合の後行われた記者会見には、政権交代前の新庁の誕生に注目が高まったせいか多くの報道陣が取材に駆けつけた。
会見に臨んだ消費者委員会の松本委員長と原事務局長は記者の質疑に答えながら今後の活動について考えなどを話した。
松本委員長は「2007年度の消費者被害は推計で3兆4000億円。まじめな事業者が儲からず、不正を行う事業者が得をしているマーケットへの手立てを考えていく必要がある。そのために法律をしっかり定め、取締りの仕組みを作っていきたい」と話した。
消費者庁は全国の都道府県に「消費者ホットライン」を設置し「消費者行政の一元化」を図ることを柱に掲げている。しかし現時点で実行には至っておらず、発足にあたって準備不足ではなかったかとの質問もあった。
原事務局長は「消費者の声や異議で動いていきたい。消費者の応援がほしい」と意気込みを話した。
◆国民の信頼を得る貴重なチャンス
続いて内田俊一消費者庁長官が記者会見した。スタートにあたって▽消費者・生活者の目線に立つことで大きな変革の拠点にしたい▽各都道府県に寄せられた新鮮な情報の一元化を目ざしたい▽タテ割りの関係を打破し消費者の声を各省に伝えていきたい、と3つの指針を語った。効果的できめ細かな対応をし消費者教育と救済力の強化で消費者庁の形を現していきたいとしている。
また「消費者庁の発足は国民に信頼してもらえる貴重なチャンスと捉え、与えられた責務をしっかり行っていきたい」と語った。
内田長官が考える一番急ぐべき課題は、地方にある消費者センターの相談員に対する支援だ。これから手がけていきたいものは何かという記者からの問いに「相談員の人たちに仕事がやりやすくなったと言われるような支援を強化していきたい」と話した。