舟山康江大臣政務官が会議後の記者会見で明らかにした。
地方農政局の役割として、事故米で問題となった米の流通に対応したトレーサビリティ確保や食品表示偽装などを監視する食の安全確保対策に加えて、戸別所得補償制度を実現するために生産費調査などの「統計業務の充実が必要になってくる」として組織・定員のあり方について検討するとした。
また、民主党がマニフェストで掲げている農業の「6次産業化」についても「本省も今までは生産、流通・販売、地域振興がそれぞれに行われていたが(6次産業化には)、一体的に取り組む体制整備と組織再編を検討しなければならない」と話した。
8月末に農林水産省が示した組織・定員改革案では、地方農政事務所は廃止し(北海道農政事務所は除く)、地方農政局と現行の地域課、統計・情報センターを地域センター(仮称)とする2段階案を示した。地域センターも現在の346拠点を65拠点に集約する内容だった。
また、本省組織についても、食糧部を廃止し総合食料局と、生産局、農林水産技術会議を再編し、農産物の生産振興と主要食糧の売買管理などを行う食料生産局と、農商工連携やバイオマス、食品産業の支援などを行う資源産業局とし、農業技術分野は大臣官房のもとに設置される技術・環境政策部が担当する改革案が示されていた。
舟山政務官は「農政事務所を廃止するかどうかはともかく、地方の役割、とくにトレーサビリティ、食の安全、統計の充実が必要となってくる。定員の純増も検討していきたい」と語った。