農林漁業者に対する戸別所得補償制度の導入については「公平性と透明性に留意して」「町村負担を伴わない具体策を早急に示すこと」を求めた。
同制度は民主党マニフェストが掲げる農政の目玉だが、いざ具体化となれば作物別に不公平が生じたり、町村に重い事務負担がかかってきたりするのではないかなどの心配の声もあるためだ。
WTOなどの国際交渉については「我が国の農林漁業の実情を十分認識の上、地域の産業・経済が崩壊することのないよう粘り強く交渉すること」を要請した。
マニフェストには当初、日米FTA締結の推進があり、後で修正はされたものの、貿易自由化をめぐる民主党内の動向には懸念が持たれている。
意見書は「農林漁業と農山漁村の危機的状況」を強調し「中山間地域等直接支払制度を継続・拡充すること」なども求めた。
同制度は今年度で5年間の対策期間が終わるが、すでに前政権は継続を決めていた。
全国町村会は先に「民主党マニフェストに対する意見」をまとめ、町村にとって重要な事項については、取り組みを要請したが、鳩山内閣発足後の省庁申し入れは初めて。
同会は全国989町村(10月5日現在)の中央団体。