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社会的共通資本の重要性を強調 宇沢教授がブループラネット賞受賞記者会見

 旭硝子財団が地球環境問題の解決に貢献した個人や組織に贈る「ブループラネット賞」が宇沢弘文東大名誉教授に贈られ、記念記者会見が10月20日東京都内で開かれた。

ブループラネット賞を受賞した宇沢教授 宇沢教授が概念化した「社会的共通資本」とは、自然環境や社会インフラなどの資本、教育、医療などの制度資本などのこと。従来の経済学では考慮しなかった考えだ。会見では「社会が円滑に機能するために重要な役割を果たすもの。社会全体の共通の財産として守り子どもたちに伝えていく営みに関わるもの」と改めて解説し、この概念が高く評価されて同賞を受賞したことは「一介の経済学者として大変名誉なこと」と述べた。
 深刻化する地球環境問題で宇沢教授は、まさに大気こそ社会的共通資本との考えからCO2排出削減対策として「比例的炭素税」を国際会議で提唱した。これは一人あたりの国民所得に比例して炭素税をかけるというもの。国による経済発展水準の違いを組み入れたもので、地球環境問題を考える専門家から圧倒的な支持を得てEUを中心に支持が広がっている。「この考え方が早い時期に制度として採用されることを強く願っています」と話していた。同賞は18回目。今回は06年に気候変動の経済学を報告した英国のニコラス・スターン卿も受賞した。それぞれに賞状、トロフィーと副賞5000万円が贈られた。

(写真)ブループラネット賞を受賞した宇沢教授

(2009.10.27)