(写真)握手を交わし友好関係を結ぶ両社
瓮福は、1994年にりん鉱石資源に恵まれた貴州省に国家プロジェクトとして設立された企業。現在、りん鉱石を年間450万トン採掘し、りん安などの肥料を年間200万トン生産する中国有数のりん酸肥料メーカー。
JA全農は瓮福設立以前から貴州省で独自にりん鉱石調査を行い、90年から輸入を開始していたが、瓮福による大規模なりん鉱石開発がスタートすると、瓮福とりん鉱石の購入契約を締結した。また、共同でりん鉱石の輸出用設備を整備し、協力関係を深めてきている。
りん鉱石については、米国が96年に資源保護を理由に、りん鉱石の輸出を停止したため、」中国は重要なりん鉱石輸出国となった。
JA全農は瓮福から年間10万トンを超えるりん鉱石を十数年にわたり継続的に輸入しているが、近年、中国政府が資源政策としてりん鉱石輸出に関して規制や関税を課した際にも、瓮福は安定的にりん鉱石を供給するなど、良好な相互信頼関係を築いてきた。
今回の「戦略的パートナーシップ協定」の締結の目的についてJA全農は、「相互の組織的有利性を発揮し、共存共栄の精神をもって長期安定的な取引関係を維持し、相互に経験知識を供与しあうことで、ともに成長・発展を目指すこと」にあるとしている。
28日の協定調印式であいさつしたJA全農の神出常務は「世界的経済危機は肥料にも厳しい状況をもたらしている。協力関係を深めることは大きな利益になり調印はその第一歩。今後課題に直面した際は話し合い、協力し合って大きく発展できるよう共々頑張っていきたい」と述べた。
また瓮福の董事長は「今後日本・中国のいろいろな条件に変化が起こるかもしれないが、その場合も協定の精神にのっとって乗り越えていきたい。今回の調印は友好関係が新しい時代に入ったことと認識しています」と話した。
その後両社は調印書にサインし、記念を祝しての乾杯で幕を閉じた。
なお協定は、双方の貿易会社である全農グリーンリソース(株)、瓮福国際貿易股分有限公司(分は人偏に分)(通称:ケミフォス)を含めた4社で調印された。
調印式後は、瓮福の何浩明(ハー ハオミン)董事長が「金融危機下のりん酸化学工業の現状および発展」と題して記念講演を行う。
(写真)調印書にサインする瓮福・董事長(左)とJA全農・神出常務(中)