JA全農は、20年度に県本部とともに実証展示圃設置を担い手生産者に提案し、鳥取・島根・広島の3県19ほ場(8JA)で実証に取り組んだ。
21年度については、実証展示圃の運営経費の一部を助成することなどを内容とする要領を策定するなどして、10県27JA32カ所、約20haの取り組みとなった。
この間、技術研修会、鉄コー作業実演会、播種実演会、現地検討会などを各地で開催し、技術指導を徹底してきた。
6日の普及検討会には、JA関係者だけではなく、各県の農業試験所や改良普及センター関係者、農機や農薬メーカー関係者も参加し、この技術に対する幅広い層の関心の高さを感じさせた。
検討会では、JAいずも(島根県)をはじめ各県における実証結果などが報告され、今後の普及について検討された。
JAいずもからは、播種前の代掻きから播種方法、その後の収穫までの課題などが具体的に提起され、今後の普及にとって貴重な報告だった。
そのほか、農水省生産局の末口忠義水田農業対策企画係長が「水稲直播栽培技術の現状と普及上の課題」を、農研機構近畿中国四国農業研究センターの山内稔リーダーが「JA育苗センターにおける大量製造機の利用」について講演した。
飼料用米などでの活用が期待されていることもあり、JA全農では、22年度の実証展示圃の設置目標を15県45カ所30haにしたいと考えている。
鉄コーの技術的な面については、本紙7月30日号記事を参照。