表彰は優良認定農業者と優良集落営農に分かれ、大臣賞と同省経営局長賞、全国担い手育成総合支援協議会会長賞が贈られる。受賞は合計54事例。
◆家族経営協定を結んで 福岡の野上さん
優良認定農業者のうち個人・土地利用型部門の大臣賞は福岡県うきは市の野上隆行さん(54)。42・5haを経営し、麦・水稲・大豆・カキを作っている。
家族4人で家族経営協定を結び、デザイン、複式簿記記帳、営農技術など得意分野を活かした経営を展開。
また販売のIT化やオリジナルデザインのコメ袋で付加価値をつけるなどしてブランド米(野上米)の販売を促進。減農薬・肥料、合ガモなど環境に優しい農業も進めている。
さらにパン用小麦の種子生産に取り組み、小区画ほ場の作業委託や石の除去など土地改良に貢献している。
個人・施設等型部門では栃木県真岡市の松本泰弘さん(32)、法人土地利用型部門では富山県入善町の(有)アグリゴールド矢木(矢木龍一代表)、法人・施設等型部門では岩手県雫石町の(有)姫園芸(桜糀哲也代表)が大臣賞に輝いた。
◆集落農地の9割を集積 石川のアグリ松東
優良集落営農では石川県小松市の農事組合法人アグリ松東(山本友幸代表)が大臣賞を受賞した。
法人設立は19年2月末。29ha余を経営。水稲、麦、大豆、花を作っている。
集落の全30戸が構成員として参加。機械利用組合から組織化、法人化と一段階ずつ発展した結果、特定農業法人として集落農地の9割を集積した。
組織を生産と管理の部門別に分け、新規作物(花、ウメなど)、企画、外商の担当を置くなど多角経営を促進し、JA小松市のブランドとして減農薬米「蛍米」を全量集荷している。
表彰式と発表会は大臣賞については11月17日13時からさいたま市の大宮ソニックシティで行う「第12回全国農業担い手サミットin埼玉」で、他の賞については10時から行う表彰伝達式で行う。
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大臣賞に輝いた農事組合法人アグリ松東のトラクターによる耕うん風景