昨年に続き2度目となる今年の大会には、昨年を大きく上回る約450名が参加した。
開会にあたって木村春雄JA全農経営管理委員会副会長は「JAは担い手が頼れる組織でなければならない。その期待に応える窓口がTAC」であり、その役割を果たすために「担い手の要望をとらえ、的確な提案をすることが大切」と述べるとともに「今後の地域農業の振興とJAの展望づくりに尽力して欲しい」と述べた。
来賓として日本農業法人協会の武井尚一副会長が「TACに期待することと」と題し講演。「JAと組合員との関係を希薄にしないよう、臆せず訪問し、JA利用率を高めてほしい」と、農協協会の「生産法人調査」を引用しながら激励した。
また、神出元一全農常務はこの1年のTACの活動について▽担当農家数を明確に絞り込んでいる▽担当業務に境界線を引かず担い手のあらゆる要望に応えている▽TACシステムを有効に活用している▽TACミーティングがしっかり行われていることをあげ、活動が前進していると表彰式に先立ち語った。
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あいさつするJA全農木村副会長
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大会で表彰された全33TACとJA
◆6部門で33のTACとJAを表彰
大会では6部門で33のTACとJAを表彰。その活動内容が報告され、農家に出向くノウハウの共有や活動の定着・伸展などを確認した(表彰者一覧は下)。
今年の表彰では、各部門でTACだけではなく組織として優秀な実績をあげたJAも表彰された。また、訪問活動でJA利用率の向上につなげた「活動実証」と、TACシステムにTACに役立つ情報を提供した「知恵箱情報」の2部門が新設された。
表彰式の後、今年初めて表彰された6JAと2年連続で表彰された7JAから活動内容などが報告された。
2日目午前中には、基調講演として秋山真咲ソフトブレーン(株)社長の「TAC活動のレベルアップを図るために-TACシステムを使った分析手法」、藤原和博東京学芸大学客員教授による「問題解決に役立つ“つなげる力”“人間関係の築き方”」が講演された。
午後は、参加者による分科会とJAトップによる座談会が同時開催され、2010年に向けた取り組みなどが確認された。
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情報提供部門で表彰を受けるTAC
大会宣言
一、担い手の方から「ありがとう」と言っていただける活動を行います。
一、担い手の方の課題を解決する具体策をとことん話し合います。
一、担い手の方から「自分のJAなんだ」と実感いただける関係を築きます。
◆販売にも力を入れていく 2010年のTACの取り組み
大会では、大西茂志全農営農総合対策部長から「TACパワーアップ大会2010に向けて」と題して今後TACが力を入れていく取り組みが提起された。
それによると、▽TACマイスター育成制度平成22年2月から)⇒販売事業に携わるTACの資格制度▽産直との連携拡大⇒各JAの産直事業とTACが連携▽小売・飲食事業の開発⇒TACが仲介する農産物を拡販▽加工品の企画・開発⇒小売・飲食事業向けの加工品開発など、販売に力を入れていく内容となっている。
◆3月16日に展示商談会
来年3月16、17日に東京有楽町の東京国際フォーラム展示ホールで、「TACが、自分の担当する農業経営者の逸材(農産物・加工品)を外食・小売のバイヤー等に紹介・提案する」商談会を実施することも提起された。40JA(「TACの店」専用ブース)の参加を予定している。
JAグループTACパワーアップ大会2009表彰者一覧(敬称略)
【情報提供部門】
地域農業の担い手に役立つ情報を提供したTAC
○TAC表彰
1位 杉田幸雄(JA青森TAC推進課)
2位 佐藤将哉(JAみやぎ亘理生産資材課)
3位 姫野昭祐(JAグリーン近江営農企画課)
○JA表彰
1位 JAあおもり(青森県)
2位 JAやつしろ(熊本県)
3位 JA新ふくしま(福島県)
【情報収集部門】
地域農業の担い手の「夢」やJAへの「要望」を収集したTAC
○TAC表彰
1位 松原弘明(JA沖縄農家経営対策室)
2位 大槻浩也(JA京都丹の国営農企画販売課)
3位 横山 進(JAやつしろ経済渉外課)
○JA表彰
1位 JAいわみ中央(島根県)
2位 JAおきなわ(沖縄県)
3位 JAやつしろ(熊本県)
【新規開拓部門】
JAの新たなファンづくりに取り組んだTAC○TAC表彰
1位 岩谷柾寿(JAつがる弘前営農経済渉外課)
2位 小山康晴(JAつがる弘前営農経済渉外課)
3位 山中国義(JAつがる弘前営農経済渉外課)
○JA表彰
1位 JAつがる弘前(青森県)
2位 JA兵庫六甲(兵庫県)
3位 JA島原雲仙(長崎県)
【農業経営相談部門】
地域農業の担い手の相談相手、パートナーとして活動したTAC
○TAC表彰
1位 木村哲治(JA甲賀)
2位 高浪 敦(JAやつしろ)
3位 山崎典幸(JAはぐくみ)
○JA表彰
1位 JA甲賀(滋賀県)
2位 JA京都丹の国(京都府)
3位 JAやつしろ(熊本県)
【活動実証部門】
TACを起点としたSTEP1からSTEP6の活動により実績を拡大したJA
○販売事業の部
1位 JA兵庫西(兵庫県)
2位 JA山形おきたま(山形県)
3位 JA勝英(岡山県)
○購買事業の部
1位 JA兵庫西(兵庫県)
2位 JA兵庫南(兵庫県)
3位 JA山形おきたま(山形県)
【知恵箱情報部門】
TACに役立つ情報のTACシステム「知恵箱」への提供者
1位 JA全農本所肥料農薬部
2位 JA全農新潟県本部担い手支援部
3位 JA全農島根県本部営農資材部