農政・農協ニュース

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22年産米の生産目標数量は813万トン

 22年産米の生産目標数量などを決める食料・農業・農村政策審議会の食糧部会(部会長・林良博東大大学院教授)が11月26日に開かれ「基本指針」(米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針)を審議、原案どおり大臣に答申にした。

 米の需要見通しは最近の米の消費量や需要実績をふまえて算定されている。
 平成22/23年(22年7月〜23年6月までの一年間)の需要見通しは812.8万tとされたことから、来年産の主食米の生産数量目標は813万tとされた。21年産より8万tの減となる。
 今後、都道府県別の目標が決められるが、生産調整の達成県については生産数量目標の減少率が全国減少率(99.8%)を下回らないように配分する。調整された数量は未達成県のうち、22年産数量が増える県から減らす措置をとる。
 政府備蓄米は6月末時点では86万tだったが売却が進み、10月末時点では84万tとなった。農水省はこの日の食糧部会で政府備蓄米を16万t買い入れ、現在政府が適正水準としている100万tと方針を明らかにした。
 民主党は政策集で300万tの棚上げ備蓄を示していることから、今回の基本指針策定が注目されたが出席した舟山政務官は「適正水準や財政負担などを考えると大きな話になるので、一定の時間をかけて考えるべきだと思っている」と今後の検討課題とし「来年度については100万t」と従来の備蓄運営を行うとした。
 買い入れは12月にも行う。一定の価格を示して入札を行い、価格の低い米から買い入れをしていくという。従来のように産地、品種、銘柄ごとに買い入れ数量や価格は決めない。
こうした方式に改めた理由について農水省は「透明性を高めるため」と説明した。
 一方、生産数量目標はモデル事業として実施する米戸別所得補償制度の目標数量となる。
 目標数量に即した生産を行った販売農家が支払いの対象となるが、一方で地域ぐるみで麦・大豆の生産を増やし他県の生産調整分を引き受けてきた県もある。佐賀県では新潟などと県間調整して転作部分を増やしたが、これは産地づくり交付金もそれに見合った分が上乗せ交付されたから。来年度からのモデル事業では産地づくり交付金などは一本化され、水田利活用自給力向上事業に一本化され全国統一単価で助成を実施する。
 来年度の県間調整について農水省は、当該県であらかじめ調整し、麦・大豆等の作付けを増やすことにした地域にはそれに見合った交付が行われるため、従来のような県間調整は可能との見方を示した。

22年産米の都道府県別の生産目標数量

(2009.11.30)