21年度上半期の主な経営指標をみていくと、基礎利益は、運用する債券など有価証券の利息や配当収入が減少したことなどから利差損が増え、前年同期比87.1%の2208億円となった。
しかし前年上半期マイナスだったキャピタル(有価証券売却)損益がプラスに転じたことから、経常利益は前年同期より262億円増の1812億円(同116.9%)となった。
また、経営の健全性を示す指標である支払い余力(ソルベンシー・マージン)比率も、市場の改善で有価証券の評価益が増えたことなどから、前年度末より35ポイント増加の892.6%となった。
総資産は、前年度末より9576億円増の42兆1680億円(同102.2%)。そのうち運用資産は、前年度末より9052億円増の42兆1814億円(同102.2%)となっている。実質純資産も前年度末より8.5%増加し7兆5887億円となった。
こうした経営指標をみると、引き続いて経営の健全性を保っていることが分かる。
◆新契約件数が前年より増加
上半期の主要共済の新契約高は、生命共済では、積立型終身共済や一時払生存型養老生命共済(たくわエール)、医療共済などの件数が前年同期を上回り、契約件数が81万7000件(同102.3%)となったが、財産形成ニーズ・生存保障ニーズによる契約が多いため保障共済金額では前年同期より約10%減の8兆1484億円となっている。
建物更生共済の新契約高は、件数が47万8000件(同100.2%)、保障共済金額が7兆851億円(同97.8%)だった。この結果、生命共済と建物更生共済の合計では、件数129万5000件(同101.5%)、保障共済金額15兆2335億円(同93.5%)となっている。こうした結果、生命共済と建物共生共済合計の保有契約高は、依然として満期到来契約が高水準で推移していることなどから、324兆3692億円と前年度末より5兆8119億円の減少となっている。
年金共済については、契約件数10万4000件(同99.7%)、年金額707億円(同89.9%)となっている。
自動車共済については、20年10月に投入された家庭用自動車共済(クルマスター)の効果もあり、契約件数は414万1000件、共済掛金が1194億円と件数は同99.8%、金額同100.3%と前年同期水準を確保している。