「JA人づくり研究会」はJAを支える人材育成と組織づくりはどうあるべきかを考えようと、2008年7月に発足。全国から約30人のJA常勤役員などが集まり過去5回の研究会を開いてきたが、これからはよりオープンにして裾野を広げていこうと、自主的な学習組織として正式に再スタートした形だ。
設立総会では規約を定め、代表にJA総研の今村奈良臣所長、副代表に▽高橋勉(JAいわて花巻専務理事)▽黒澤賢治(JA-IT研究会副代表)▽仲野隆三(JA富里市常務理事)▽麻生昭夫(JA東京むさし常務理事)を選任した(敬称略)。
今後は年4回の研究会開催、ホームページ開設、「JA人づくり通信」発行などを行う予定。
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3日の研究会から。質問するJA新ふくしまの菅野孝志理事長。
◆個性がキラリと光るJAづくりを
研究会のテーマは「JAの総合事業を問う」。今村代表は「個性がキラリと光るJAが少なくなったと思う。一人ひとりが研鑽を積み、地域に貢献できるJAをつくってほしい」とあいさつした。
3日は総合性を発揮したJA運営をめざす2JAからの実践報告や、生産者からJAへの期待と提言などがあった。
JA松本ハイランド(長野県)の伊藤茂組合長は総合ポイント制度について報告。同JAは昨年10月から総合ポイント制度を県内先行稼動しているが「ポイント制導入の最大の目的は組合員数の拡大」だとして、導入の経緯や特徴などを紹介。県全体では組合員数が減少傾向にある中、同JAはここ数年は増加している。
JA糸島(福岡県)の松尾照和組合長は、人・もの・地域の3づくり運動を基軸とした長期農業振興計画、農産物販売高100億円チャレンジのほか「農業の核となるのは集落。その集落のリーダーをつくるため毎年7月には集落リーダー研修会を開いている」などの取り組みを紹介した。
生産者として富山県の農事組合法人サカタニ農産奥村一則代表が「リスクを負って経営しているプロ農家が本当に儲かるシステムづくりが必要。JA職員との交流など意見交換の場がほしい」などと述べた。
4日は「総合事業展開に必要なリーダーシップと組織機構」「協同組合の総合ポイント制になにが必要か」などをテーマに相互討議が行われた。
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(上から)伊藤組合長(JA松本ハイランド)、松尾組合長(JA糸島)、奥村代表(サカタニ農産)