今年9月末現在の735JAのうち6月末決算JAなどを除く619JAを対象に上半期仮決算状況をまとめた。
事業取り扱い高では、貯金は前年同期比(以下同)1.6%増の80兆6748億円、貸出金は5%増の22兆5980億円となった。貸出金は信連等の劣後ローンの大幅な増加が影響した。有価証券は4.4%増の4兆8178億円となった。
共済事業では、長期共済保有高が満期・解約の増加、新契約高の減少で3.2%減の309兆229億円となった。減少傾向に歯止めがかかっていない。
販売品販売高は畜産物をはじめとする価格低迷により2%減の1兆4515億円となった。購買品供給高は、生産資材の多くが19年度上半期水準に近づいたことから、10.8%減少し1兆2676億円となった。19年度同期の比較では5.8%の減。
損益状況は、信用事業総利益は2期ぶりに1.5%の増。金利低下による事業費用の減少が要因だという。
■事業利益は大幅増
共済事業総利益は、長期共済保有高減にともなう付加収入減などで3.0%減り4期連続の減少となった。
販売事業総利益は3期ぶりの1.5%減。取り扱い高の減少による手数料収入の減少が要因だという。
購買事業総利益は生産資材価格が高騰した前年より2.9%減少した。
事業管理費は7996億円で2.2%減。このうち人件費は5640億円。事業管理費は19年度1.7%減、20年度1.0%減と削減幅が減少していたが、今期は増加している。ただし、事業管理費の削減額全体に占める人件費割合は20年度60.1%が21年度47.7%と50%を切っていることから、人件費以外の削減が行われていることがうかがえる。
事業総利益は0.9%減の8929億円となったが、事業管理費の削減幅が拡大したため事業利益は11.5%増の933億円。経常利益は受取出資配当金の大幅減で1235億円と2.6%の増加にとどまった。