農政・農協ニュース

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畜産・酪農のグランドデザインを  JAグループが組織討議

 JAグループは今後の畜産・酪農対策の決定に向けた政策提案をまとめるため来年1月中下旬まで生産現場の課題整理や現行施策の検証など、組織討議を行う。

 平成18年秋から高騰を続けた配合飼料価格は昨年10〜12月に1t6万7600円まで上昇したが、世界金融危機による穀物・原油価格の急落を受けて今年は5万円台で推移してきた。しかし、高騰前よりも1万円高い水準となっている。
 一方、景気後退にともなう消費不振で調整保管を発動した豚肉をはじめ牛乳・乳製品も需要減と在庫増で生乳生産抑制を余儀なくされるなど、畜産・酪農経営は「先を見通せない状況」(JA全中)となっている。
 こうしたなか発足した新政権は畜産・酪農戸別所得補償制度を23年度以降に導入する方向で検討することにしているがモデル事業の実施も含めて検討スケジュールなどは示されていない。
 ただし、現行制度では22年度の政策価格と関連対策は来年3月末までに決定することが定められていることからJAグループは(1)22年度畜産・酪農政策価格、関連対策、(2)22年度からの新基本計画と酪農・肉用牛基本方針、(3)23年度以降に想定される戸別所得補償制度の導入、に関する課題について「現場実態に即した課題認識の共有化」と「政策提案に向けた生産現場からの議論積み上げ」を行うこととした。
 12月10日の全中理事会でとりまとめた組織討議資料では「わが国畜産・酪農のグランドデザインの確立」が必要でそのなかで将来にわたり経営の安定を図る万全のセーフティネットの構築を検討すべきと提起している。とくに戸別所得補償制度については「いつまでにどのような政策を講じていくのか具体的な工程表を早急に明らかにすべき」としている。
 現場からの議論の積み上げをふまえ来年2月の全中理事会で政策提案を決める。

(2009.12.16)