農政・農協ニュース

農政・農協ニュース

一覧に戻る

衰退に歯止めかける重要な年―赤松農相の年頭訓辞

 1月6日、赤松農相は農林水産省本省で職員に向け年頭の訓辞を行った。訓辞では「農林水産業、農山漁村の衰退に歯止めをかける年にしなければならない」と強調し、政務三役と職員が一丸となって政策遂行にあたることを求めた。

衰退に歯止めかける重要な年―赤松農相の年頭訓辞 農相は新政権発足で「政治主導の政策決定システムを確立し、政治家がその実現の先頭に立つとの考えで業務遂行をしてきた」と昨年を振り返り、政治主導について「当然のことながら政治家が好き勝手をやる、官僚職員を無視したり、むりやり従わせればいいということではない。職員と政治家たる政務3役がおおいに議論し、納得のうえで政治家が指し示す方向に向かって心をひとつにして協力してがんばるということと確信している」と述べた。その成果のひとつとして「戸別所得補償制度の創設については、一円も値切らせることなくまったく無傷で予算計上できたことは最大の喜び」と評価し、「日本の農政の大転換に向け、その第一歩となる戸別所得補償制度のモデル事業を何としても成功させなければならない。鳩山政権にとって、最大、最高、最重要な政策として職員一丸となった取り組みをお願いしたい」と訓辞した。
 そのほか、基本計画の見直しを行う重要な節目の年であることや、本省・地方組織の組織改正に向けた移行準備など具体的な課題を挙げ、検討に着手する事項として米以外の戸別所得補償制度の本格実施や、漁業経営の所得補償制度検討などに触れた。また、森林・林業、木材産業の再生のために通常国会に公共建築物等の木材利用促進法案と「農山漁村の六次産業化」を推進するための六次産業化法案を提出する方針も示した。
 農相は「後に振り返ったときに、日本の農林水産行政が大きく変わった年と言われるようにしなければならない」と話し、「農林水産業の復活のために全身全霊を賭す。一丸となって取り組むことで飛躍させることができると確信している。どの省庁よりも明るく温かい職場づくり、人を思いやるゆとりがなければいい仕事ができるはずがない。そんな農林水産省を」と訴えた。

(2010.01.07)