1月13日には関東農政局で関東ブロック説明会が開かれた。
米戸別所得補償モデル事業では、原則として水稲共済に加入している販売農家が生産数量目標に従った生産をした場合に対象になる。 説明会では、水稲共済への当然加入の対象となる作付け規模の生産者が加入していない場合の対応について質問が出た。今回のモデル事業では面積が小さいために未加入の場合は、販売実績を示す書類などがあれば対象となるが、原則となる条件は共済加入。農水省は「まず加入してもらうことが前提」と回答した。ただ、現場ではこうしたケースも少なくないようだ。その場合は、台帳に記録がないため水稲作付け面積の把握も課題となる。
また、調整水田による生産目標数量の達成も手法としては認められたが、作付けができない理由と改善計画を提出することが求められている。この点についても改善計画の期間をどう設定すれば認められるのか、書類の様式はあるのかなどの質問があった。
この点について農水省は、調整水田の実態を市町村が把握し、どう解消するのかを考えてもらうことが目的だとし、「国民から見れば不作付け地に支払いされることになる。改善の努力が必要」と指摘、担い手に耕作を任せるなどの当面の不作付け地解消策を示すべきだとした。
そのほか米粉など新規需要米の生産支援は現場から期待する声があがっているが「国としての需要拡大策が必要」との意見や、これまでの水田維持の工夫としての景観作物や自家用麦・大豆なども交付対象とすべきではとの意見もあった。
これらに対して景観作物は水田有効利用の観点から、自家用作物については地産地消の点で検討の余地があるとの回答があった。
そのほかミニマム・アクセス米の輸入中止を求める意見や需給調整対策を望む声もあった。
農水省は今後は市町村、集落段階でも説明会を開く方針にしている。新制度への十分な説明と納得が求められている。
都道府県別の説明会の日程は農水省ホームページで。
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戸別所得補償モデル対策事業の関東説明会 1月13日 さいたま新都心の関東農政局内で。