このシンポジウムでは、北京大学前学長の許智宏博士が「中国におけるバイオテクノロジー研究の成果と今後の展望」について、北京大学生命科学学院の安成才博士が「中国における遺伝子組み換え作物の研究開発動向と展望」を、デュポン社中国支社の王琴芳博士が「中国における遺伝子組み換え作物の商業化と規制の動向」について講演した。
いずれの講演も現在の中国における遺伝子組み換え作物についての国をあげての取り組み状況が具体的に語られ、中国の実情が大変よく理解できた。
すでに中国では昨年までに商品化生産の許可を得た遺伝子組み換え作物が、害虫耐性Bt稲を始め8種類あること。さらにそれに続くものが次々と研究開発されていること。そしてそれは国家の強力なバックアップのもとで進められていることなど、日本では専門家は別にして一般にはあまり知られていない事実が報告された。
良くも悪くも、これからの世界の食料や農業を考えるときに、遺伝子組み換え作物について、本腰をいれて考えなければならない時期にきているのではないだろうか。
本紙では、昨年から開始したこの問題についてのシリーズを近々再開する予定にしている。乞ご期待。