農政・農協ニュース

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栽培面積が一目で精度の高いメッシュ地図表示システムを開発  農業環境技術研究所

 作物の栽培面積などが一目でわかる精度の高いメッシュ地図を表示できる「農業統計情報メッシュデータ閲覧システム」を開発し、インターネット上に公開したと(独)農業環境技術研究所が2月9日発表した。

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 全国の土地利用の情報と農林業センサスのデータを統合し、約1km四方のメッシュ単位で作物の栽培面積などを算出して地図上に表示するシステムを開発。これを同研究所のウェブサイトで公開した。
 これにより▽台地や低地といった地形や流域ごとの栽培面積の変化がわかり▽河川の流域など広い面積の農業環境の評価に利用できることとなった。
 また農業に由来する窒素やリンの水質への影響、土壌浸食の危険性、農地の炭素蓄積機能などをこれまで以上に高い精度で推定できることが期待される。
 さらに具体的には▽5年ごとの農地面積の増減が1kmメッシュごとにわかる▽メッシュデータを利用すると市町村の区画にとらわれず、簡単に面積の集計ができる▽1kmメッシュごとに発生する窒素濃度を推定できる▽地図の拡大と縮小が可能で、農地の分布や統計情報が簡単にわかるーなどの利点がある。
 開発の背景には地球温暖化対策もあった。大気中の二酸化炭素を削減する方策として土壌中への炭素の蓄積が注目されているが、農地全体での蓄積可能量を推定するためには、どのような土壌で、どのような作物が作られているかの情報が必要となる。
 そこで国交省の地理情報と農水省のセンサスデータを組み合わせて地形や流域ごとに集計ができる1kmメッシュデータベースが必要と考えた。
 1kmメッシュとは、面的な広がりを持つ統計情報などを扱う際に全国的な規模で位置を特定するために用いる単位の1つ。メッシュの一辺の長さが1kmなので、そう呼ばれる。

(2010.02.19)