農政・農協ニュース

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超微細なバブルの技術開発スタート  農業や食品産業での活用に向け 研究組合を設立

 減農薬・減化学肥料栽培や洗浄・殺菌の高度化などに気泡を利用する「農林水産・食品産業マイクロ・ナノバブル技術」の事業化に向けた研究組合が2月12日設立された。農水大臣の認可組合で参加企業は13社。

マイクロ・ナノバブルの特徴 マイクロ・ナノバブル技術は、目的に応じて酸素、オゾン、窒素などの気体を水に導入することにより、微小な気泡を大量に含んだ水を生成させ、それを利用する技術だ。
 研究組合はその含有水が持つ生産物の成長促進や反応促進の機能を、農林水産業と食品産業に活用して、世界市場を視野に入れた実用化を目指す。
 具体的には環境に優しく、生産物の生理活性を大幅に改善した高品質産物を作り出す食品廃水処理・リサイクル、とくに有用資源(リン)回収技術の開発食品残さと微生物汚泥の資源化技術の開発などが研究課題。
 気泡の大きさはナノ(10億分の1m)からマイクロ(100万分の1m)といわれ、この技術の研究開発は日本が世界をリードしているが、競争が激化している。
 一方でわが国は含有水の構造や機能に関する基礎研究が遅れている。このため組合は大学と協力していく。
 組合は産業活動で利用する技術を共同研究する組織で昨春の「技術研究組合法」改正では、大学や独立行政法人も研究に参加できるようになった。
 組合員企業は(1)マイクロ・ナノバブル発生装置メーカー(2)応用システムメーカー(3)ユーザー企業の3つに分類される。

(2010.02.23)