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改革の「火ダネ」を全国へ 全中会長賞はJA東京むさしの清水政弘さん  JA戦略型中核人材育成研修全国発表会

 将来的にJA経営や改革を担うであろう若手職員に、魅力ある将来ビジョンや戦略を描き人を動かす力をもつ中核人材として成長してもらおうと、JA全中と全国の中央会が協力して2009年4月から「JA戦略型中核人材育成研修」をスタートした。
 2月25日には東京・大手町のJAビルに、各県の修了者の中から選抜された16人が集まり研究発表会を行った。最優秀賞となるJA全中会長賞はJA東京むさし小金井支店資産管理課係長の清水政弘さんが受賞した。

JA戦略型中核人材育成研修全国発表会 JAの中核人材育成は06年の第24回JA全国大会で決議された。初年度は20県域で、各中央会が主体となり研修を開いた。4月から毎月1日〜2泊3日ほどの内容で計19日の研修を修めたのは全国で351人。その中で各県域で優秀な成績を修めた16人が、研修の成果と自分の描くJAの将来ビジョンを発表した。
 発表会でJA全中の前嶋恒夫常務は「修了者のいっそうの自己研鑽とともに仲間との相互研鑽が大事。異なる県域の発表を聞いて、斬新なJA改革や提言をしてもらいたい」と激励した。
 16人の所属部署は総務や営農から、融資、LAまでさまざま。直売所の新設、新たな加工品の提案、食農教育などの地域活性化計画、JAの組織改革など、多種多様な発表があった。
 JA全中会長賞を受賞したのはJA東京むさし小金井支店資産管理課係長の清水政弘さん。「地域のための農地展用」と題して、旧態依然とした農地利用をパラダイムシフトして、バイオプラントや保育所の新設などを提言した。

JA全中会長賞を受賞したJA東京むさし小金井支店資産管理課係長の清水政弘さん 研修にあたっては家族の支えが一番大きかったという清水さんは「研修を受けた人たちの年齢は30〜40代。仮に役員になるとしても20年後の話であり、まだ組織全体を考えるような状況ではなかったが、研修を通して自JAを本当に真剣に考えるようになった」と1年間の研修の成果と受賞の喜びを語った。
 JA人づくり運動推進委員会委員長賞は、「真のボトムアップ組織への変革」を発表したJA鹿児島いずみ総務部総務課主任の大田和彦さん。審査委員長特別賞はJAあしきた企画管理部係長の溝上由美子さんと、JA三次営農指導課の廣川崇さんがそれぞれ受賞した。
 審査委員長の今村奈良臣JA総研所長は、すばらしい発表が多かったと修了者を讃える一方で、「若者や高齢者をターゲットにした発表は多かったが、女性を巻き込んだ取り組みがなかったのが残念だった。どういう地域をつくりたいのか、という視点が必要だ」と今後の課題を述べた。
 研修は2010年度も各都道府県単位で行う。さらに10県域ほど拡大する予定だ。

(2010.02.26)