会合に出席したのはOECD加盟の30か国のほか、ブラジル、インドネシア、南アフリカ、ロシアなど10の招待国。WTOのラミー事務局長も出席した。日本からは舟山政務官が出席した。
OECD農業大臣会合が前回開かれたのは1998年。今回は07年、08年の世界的な食料危機を受け、様変わりした食料、環境事情のもと、今後の食料・農業に関する「政策原則」を議論するために開催された。
舟山政務官は食料安全保障の確保について▽各国が自ら農業生産力を強化することが必要、▽途上国への海外農業投資が重要と強調した。
採択された「大臣コミュニケ」(食料及び農業に関する政策原則)では食料安全保障の確保には「国内生産」、「国際貿易」、「備蓄」、「貧困に対するセーフティネット」などの総合的な対応が重要との認識や、途上国への海外農業投資を支援する環境の確保、気候変動の対応の必要性についても盛り込まれた。
また、大臣会合としてOECDに対し、これらの課題解決のために政策評価や研究も要求。そのなかで農業が持つ公共財としての側面など「外部経済効果」を発揮する政策についても研究するよう求めた。
舟山政務官は「国内の農業支援についても、外部経済効果を持つような政策については分析したうえで一定の評価を与えていくべきということ。(今回の会合で)相当いろいろな国で農業は生産の役割だけでなく、地域を守ったり環境を守ったりしているという声が広がっていると思った」と話した。農業の多面的機能についても「言及する閣僚が多く認識され始めた。今後の交渉においても(わが国の)主張に一定の理解が得られるのではないか」と今回の会合を評価した。