茂木守会長は理事会事業計画について、需給調整の補助事業など多くの事業が今年度で終わることにふれ「4月からは公益法人の事業仕分けもある。このような環境変化に対応するため、自立性を高めて運営を工夫し、柔軟に対応できる体制を確立したい」と抱負を述べた。
来賓で農水省牛乳乳製品課の倉重泰彦課長は、2月末に決まった2010年度の加工原料乳生産者補給金単価などについて「計画生産が確実に実施されることを前提にしており、関係者一丸で生乳需給の改善に努めてほしい」と要望した。関連対策についてはチーズ・生クリーム向けのほか、「実需につながる取り組みや、地域の特色を活かした酪農の支援に重点をおいた」と説明した。
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あいさつする茂木会長
◆メインターゲットを中高生から30代主婦に
新年度事業計画の大きなポイントでは、05年度から5年間かけて行ってきた「牛乳に相談だ。」キャンペーンの見直しがある。
5年間で40億円ほどを投資してきたが、知名度や好感度を非常に高く評価する一方、実際の牛乳消費の減少に歯止めをかけられなかったことが重視された。
しかし5年間で積み上げたブランドイメージを大事にしたいという意見もあり、新たなキャンペーンはイメージを継承するようなものになる見込みだ。
「牛乳に相談だ。」では中高生だったメインターゲットを、同世代を子どもにもつ30代の主婦に切り替え、3年間で消費の急激な減少傾向を解消することを目標にする。また直接飲用以外の需要創出もねらう。
昨年度も実施した酪農理解醸成消費者対策事業とあわせて2つのキャンペーンを柱とする。新キャンペーンには5億6000万円、消費者対策事業には3億1000万円、計約8億7000万ほどの予算を計上した。
そのほかの主な事業計画では、▽酪農産業基盤安定強化対策、▽2011年度から実施予定の酪農の戸別所得補償制度への対応、▽生産者団体の機能強化のための人材育成・確保、などがある。