農業者が直接販売や加工・外食などを手がけたり、2次・3次産業との連携などで新たな付加価値を生み出す取り組みを6次産業化という。
同公庫の農林水産事業は1月上旬、スーパーL資金(担い手農業者向け長期資金)を利用している農業者を対象に、農業者主導の6次産業化(農産物加工、直売所販売、通信販売、飲食業)について調査したところ、約半数がいずれか1つ以上にチャレンジしていることが明らかになった。
また、こうした農業者から直接購入することを、どう受け止めているか、消費者の意識調査をしたところ、通販などの購入経験がある消費者は21%だったが、経験のない人の57%は「今後は購入してみたい」と答えた。
これは通販に対する潜在的な購入意欲が大きいことを示し、6次産業化に取り組む担い手農業者にはプラスに働くといえそうだ。
通販などの利用の理由については「新鮮だから」、「価格が安いから」、生産者の顔が見えるので「安心」など。
一方、農産物直売所を利用している消費者は76%となり、この新たな流通の枠組みがかなり定着したことを印象付けた。
その利用については通販と同じく「新鮮」、「低価格」を挙げると共に「地元産だから」も理由にした。
これらを見る限り6次産業化の取り組みは農業の可能性を広げるものと考えられるとした。
調査結果のポイントを見ると、回答のあった農業経営者7065人のうち「直売所で販売」に取り組んでいるが34%となっている。
また6次産業化に取り組んでいる農業者のうち「新たな取り組みを始めたい」と「今の取り組みを増やしたい」を合わせると59%となる。
現在取り組んでいない農業者のうち「新たに取り組んでみたい」は31%強。