つくばエクスプレスの「柏たなか」駅周辺は優良農地が広がり、千葉大学と東京大学のキャンパスにも近い。このため県と柏市、両大学は「柏の葉国際キャンパスタウン構想」の対象地として次世代環境都市づくりを進めている。
これを受けてJAのセンターや(独)都市再生機構(UR都市機構)など地元関係11団体は「柏北部東地区農あるまちづくり実行委員会」をつくり“都市と農業の共生”を推進。
すでに農業体験農園を開設し、3月1日から運営を始めた。次いでまちづくりの情報発信と地域の交流促進を目的に「環境コンビニステーション」を4月1日から柏たなか駅前に開設する。
施設面積は約90平方mで、地元農家が講師となる農業体験農園や地域のイベント・レジャー情報の案内、レクチャーをする。
また農園作業の前後に着替えのできるロッカーつき更衣室、手足の汚れを落とす洗い場やトイレなどを設備して農園活動をサポートする。
さらには料理教室や野菜作り講習会、ガーデニングや健康と食に関する市民講座などを開催するためのキッチンつきスタジオもつくった。
農産物直売もするほか農園をPRする「駅前見本菜園」も開設。レンタサイクル事業も実施し、自転車利用の促進も図る。
一方、農園は1区画が30平方mで約40区画ある。これを貸すだけでなく農家が種・苗・農具・肥料などを準備して野菜作りの講習会を開く。
農家にとっては生産緑地を活用した新たな収入源となり、作業負担も軽減され、さらに生産緑地の荒廃を防ぐ効果も期待される。
実行委員会は“農あるまちなみ”の保全・啓発を目的に、地域独自の風景づくりに向けた「景観ガイドブック」も作成中だ。