生態系に配慮した農業農村整備事業や、水田での環境教育を進める目的で行っている「田んぼの生きもの調査」。調査結果をもとに保全対象の生きものの選定にも役立てる。
昨年5月〜10月に実施した今年度の調査には、事業関係者や地元農家、小学校などから過去最高となる616団体・5069人が参加した。調査場所は農業用水路やため池、水田の畦など。
魚調査では日本に生息する淡水魚約220種のうち、約4割の87種(前年度は94種)が、カエルは19種のうち約8割の15種(同13種)が田んぼの周辺で確認された。
希少種の調査では、絶滅危惧2類のメダカがこれまでの調査で確認されていなかったメッシュ(日本地図を1メッシュ:約10km四方の大きさの網の目で表現したもの)で新たに確認された。希少種の魚19種も確認できた。
準絶滅危惧のトウキョウダルマガエルも新たなメッシュで確認でき、希少種2種も確認された。
また生態系に被害を及ぼす恐れのある特定外来生物は魚12種、カエル2種が確認された。主に東アジアに生息する魚の「ヨコシマドンコ」が関東地方で初めて確認され、新たな生息地が発見された。