この調査によると、全モニター世帯の実収入の月平均額は62万458円で前年比97.7%と減少した。とくに給与所得世帯のなかで、「賞与(夫)」が月平均11万2475円、前年比88.8%と1割以上減少した。
08年調査では、08年9月のリーマンショックに端を発する不況の影響による収入の減少は明確には表れていなかったが、09年では「賞与(夫)」の大幅な減少としてはっきり表れたといえる。
実収入の推移をこの10年間でみると、図のように09年は00年より約8%、金額で5万円強も減少している。
これに対して消費支出は、全モニター世帯平均で、前年比99%となっている。収入が減少(97.7%)し、消費者物価指数前年比98.6%という状況の中で、「消費支出が大きく変化することはなかった」。
消費支出を項目別にみると、「通信費」が02年に「交通費」との合算調査から独立して調査をはじめて以来、毎年上昇し続け、09年は前年比104.8%で、消費支出に占める割合も02年の2.5%から3.6%になっている。
また、子どもや親への生活援助や募金などをも含む「交際費」も前年比105.1%と伸びが大きくなっている。
その一方で、「被服費」は前年比92.8%と大きく減少し、消費支出に占める割合も00年の4.2%から3.7%へと減少している。
こうしたなかで「食費」は前年比99.8%とほぼ前年並みとなっている。ここ数年をみても、「食費」の月平均金額は6万5000円台で推移しており、生協の組合員の場合、収入が減っても「食費」への支出に大きな変化はないようにみえる。
しかし、詳細にみると「魚貝」や「豆・豆製品」への支出が減り、「加工食品」「外食」「肉類」への支出が増えている。
また給与所得世帯の所得減少にともない所得税が前年比88.3%と大幅に減少したことから、税金・社会保険料の全モニター世帯合計は、前年比96.7%と5年ぶりの減少となっている。
なおこの調査の最終的なまとめは、6月に報告書として発行される予定となっている。