◆訪問活動を徹底
基本目標は「農業とくらしに貢献し選ばれ成長し続けるJAバンクの実現」。
具体的に掲げた目標は「農業メインバンクの機能強化」で、これはJAバンクの本来事業である農業金融分野への原点回帰を図る取り組みであることから最重要テーマとする。
取り組みの内容はひとつが、「グループあげた訪問活動・サービス提供の集中的な実施」。正組合員を中心とした中小個人農業者への農業金融サービスの提供に加え、3年間で全国の大規模農家・農業法人など10万以上の経営体に、訪問活動・サービス提供を集中的に実施していく。
この取り組みで専門的なアドバイスを求める農業法人などのニーズに応え、オンリーワンの農業メインバンクとして地位・シェアを盤石なものとする。
もうひとつは、専門的なニーズへの対応力強化をめざし県段階の信連に「農業金融センター機能」を整備すること。
現在、718JA・1632人の担い手金融リーダーが農業金融を推進しているが、このセンターでは担い手金融リーダーや農業融資担当者の育成、訪問活動のサポート、JAと連携した法人、大規模農業者への融資、相談対応も行う計画だ。
そのほか農業法人向けローン商品の拡充、生産者・JAと加工流通業者とのビジネスマッチングなど、農商工連携も積極的に展開する。また、JAバンクアグリサポート事業のひとつとして22年度から新規就農希望者の育成を行う農家などに費用助成を行う。
◆地域トップシェアをめざす
中期戦略のもうひとつの柱が「生活メインバンク」機能の強化だ。個人の家計のメインバンクをめざし、年金・クレジットカードローンを重点商品とした取り組みを進める。
このうち年金を最重点とし地域トップシェアをめざす。
年金受給予定者への相談対応を充実させ600万口座を上回る水準の年金振込指定口座について、3年で新たに200万口座以上の獲得を目標とする。
クレジットカードはキャッシュカード機能付きの一体型カード「JAカード」を主力商品として展開する。JAグループ独自の総合ポイントサービスの導入を進め、JA直売所での利用にポイントをつけるといったJAらしいサービス拡充を行う。
そのほか住宅ローンは、新規住宅着工戸数が低迷し厳しい環境にあるが、住宅ローン借入者への優遇サービスなどを充実させ、3年で3兆円を上回る住宅ローン新規実行を計画している。