パルシステムでは、30年以上にわたって産直活動に取り組んできているが、「単純に産品を直接組合員に届ける産直ではなく、食と農の間にある“いのちのつながり”を大事にし、周辺の地域や環境も含めて共存できる農業の形」をめざしてきたという。
そして、そうした産直に対する考えを大事にし、そこに焦点をあてて10年度は「100万人の食づくり」運動を展開していくことにした。
そのために現在パルシステムで取り組んでいる産直活動の一部を表のように整理し「産直プロジェクト11」と名付けた。これらのプロジェクトに関わる商品を利用することで、そのプロジェクトを推進することにつながり、産地を活性化することができることを、組合員に知ってもらうということだ。
6月を目途に同生協連のホームページにも「産直プロジェクト11」のコーナーを設ける予定だという。
2010パルシステム「100万人の食づくり」 運動 |
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プロジェクト名 |
目的と内容 |
活動 |
キーワード |
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1 |
「サンゴの森づくり」 プロジェクト |
「恩納もずく」などの利用やポイントカンパで年間1千本、10年間で1haがサンゴの海に再生する |
・PB商品「恩納もずく」利用代金の一部をサンゴの植樹費用に |
生物多様性 CO2削減 |
2 |
「耕畜連携」 プロジェクト |
ふんの肥料化や飼料米を与えた「こめ豚」「こめ鶏」などを計画。耕作放棄地100haを再生 |
・飼料米を与えて育てた「日本のこめ豚を18,000頭、「こめ鶏」を9万羽出荷 |
耕畜連携 地域資源循環 アニマルウェルフェア |
3 |
「生物多様性」 プロジェクト |
生きもの調査を実施し、メダカ、ホタルの復活を全国20産地でめざす。トキを育む運動なども |
・「田んぼの生きもの調査、観察」を全国で25回実施 |
生物多様性 環境保全型農業 |
4 |
「森林・里山再生」 プロジェクト |
地域の、森林、里山を保全し、農業の多面的な機能を発揮する。棚田米やしいたけ原木取引などを計画 |
・岩手県軽米町の間伐材をしいたけを栽培する原木として年間3万本を取引。これにより10haの里山を保全 |
地域資源循環 |
5 |
「地球温暖化防止」 プロジェクト |
エコ・チャレンジ、コア・フード農産物の購入で、地球温暖化防止への貢献が分かるしくみづくり |
・コア・フード、エコ・チャレンジ商品の利用呼びかけ |
CO2削減 |
6 |
「産直原料」 プロジェクト |
産直原料を加工品に使い国内自給率向上をめざす。PB商品だけでなくNB商品にも導入を検討する |
・産直原料を使用した冷凍食品や加工品を開発 |
農商工連携 |
7 |
「植樹」 プロジェクト |
北海道野付漁協が取り組む植樹活動「コア・フードの森」により、地域環境や水資源を守り沿岸漁業を育てる |
・北海道野付産商品の利用代金の一部を「コープの森」植樹費用に |
CO2削減 |
8 |
「フードマイレージ」 プロジェクト |
4団体が連携。輸入と国内産原料の移動距離から発生するCO2の差を「ポコ」の単位で表現 |
・国産原料を使った商品開発 |
CO2削減 食料自給率向上 |
9 |
「ごはんもう1杯!」 プロジェクト |
田植え前から年間購入を予約をすることでリスクの高い環境保全型農業での米づくりが可能になる |
・予約登録米の登録よびかけ |
食料自給率向上 環境保全型農業 |
10 |
「産直交流」 プロジェクト |
組合員が産地を訪れ、生産者と地域、仕事の姿を知る。「食べる」と「つくる」の距離を縮める |
・泊りがけで産地を体験できる「産地へ行こう。」を企画 |
意識啓発 生産地と消費地の交流 |
11 |
「もったいない」 プロジェクト |
食品の大量廃棄を見直し、規格外や余剰原料なども含め自前の資源を活かした循環型商品を提起 |
・規格外青果など未利用資源の商品化や加工品を開発 |
食料廃棄削減 |