「地球温暖化問題に配慮した農産物」の表示制度を新たに実施すべきだとの回答は7割を超え、また同制度が導入された場合、52%強が「買う」と答えた。
最も買いたい農産物は「野菜」で、表示方法は「削減率(%)」を希望した。
さらに農産物生産によって発生するCO2を100%削減した農産物を販売した場合、価格が15〜24%高くなっても買うという消費者の意向が示された。
1%削減に対して消費者は(1)コメ2〜9円(2)トマト0・4〜0・9円(3)メロン3〜17円という価格評価をしている。
みずほ情報総研は調査結果について、温暖化問題への対応は少しであっても消費者が評価するため、農家や小売店としては「取り組む価値がある」と考察した。
またCO2削減は、商品の価格上昇を見込まずに10%以下に止めるか、100%近く削減して20%前後の価格上昇を期待するか、費用対効果を見据えた取り組みが必要とした。 同調査は環境対策だけでなく、消費者の新たなニーズに対応できる次世代農業者の育成も目的とした。
調査対象は全国の20歳以上の女性で有効回答者数は2000人余。
◆認知度は低い水田のメタンガス
農業から発生する温室効果ガスの認知度についても調査した。
結果は、ハウス栽培などで重油や灯油を使うことによる二酸化炭素の発生については認知度が高くて約47%となったが、水田(稲作)から発生するメタンガスについては約4%と低かった。
牛などのゲップによって発生するメタンガスは比較的高く32%、野焼きと家畜ふん尿によるメタンガスなどは20%台だった。
この調査は農水省の21年度農業生産地球温暖化総合対策事業によって実施された。
(図)
「地球温暖化問題に配慮した農産物」についての認証制度に関する導入意向
▽認証制度を必要と考える消費者は71.3%、必要ないと答えた回答者は3.8%
▽認証制度は必要だが、認証制度の統合が必要と考える消費者は43.1%