農政・農協ニュース

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資本不足の新規農業法人を支援  JAバンク

 JAバンク(JA・信連・農林中央金庫)は4月5日、アグリビジネス投資育成株式会社(アグリ社)と連携して、技術はありながらも設立したばかりで資本不足に悩む農業生産法人などに対して出資し育成を支援する新たな仕組みを整備したと発表した。

 このスキームは「自己信託」を活用したもの。旧信託法では委託者と受託者が別でなければならなかったが、18年に成立した現行信託法では委託者と受託者が同一である信託も可能となっている。
 そこでアグリ社はこれを活用して財産から一部を自己信託化、さらに信託を受益権化し、これをJAバンクアグリ・エコサポート基金(エコ基金)が購入するかたちをとった。
 エコ基金は農林中金が100%拠出して利子助成や投資事業、食農教育応援事業などを行っている。つまり、今回のスキームは、アグリ社の信託受益権を購入することで、実質はこの基金を投資原資とするというものだ。

◆長い目で見て支援

 アグリ社はJAグループと農林漁業金融公庫(現在は日本政策金融公庫)が出資して平成14年に設立、日本で唯一、農業生産法人にも投資を行うことができる投資会社だ。ただ、投資は法人の規模、経営状態などで判断する。「しかし、本当に資本が必要なのは設立したばかりの生産法人」(農林中央金庫)であることから、エコ基金を活用する今回のスキームを整備した。
 農業技術や販売力などに見込みはありながらも、当面数年間は赤字とならざるを得ない法人などにも、このスキームを使って投資し育成を支援しようという事業である。出資を受けた法人にとっては信用力を高めることにもなる。
 投資案件はJAの担い手金融担当者などが発掘する。原則1社1000万円を上限とし、22年度資金として10億円を予定している。

(2010.04.07)