今回融資を決めたのは農業法人アクレードテクノ(株)(福岡県)とフュージョン(株)(宮崎県)の2社。
前者はキュウリ専門の育種メーカーである(株)久留米原種育成会が設立した新会社。近年、生産者の高齢化や栽培技術の問題などで供給体制が需要をカバーできていないという現状を踏まえ、新たな栽培法、育種開発に乗り出す。
後者は宮崎県で種鶏・孵化業を営むアミューズ(株)が地域の採卵鶏業者を継承するため新設した法人。同公庫宮崎支店をはじめ、鹿児島銀行や宮崎太陽銀行など計5社から総額30億円を投融資して事業再生を図る。
適用される「農林漁業者向け資本的劣後ローン」は特に新規性・チャレンジ性が高い事業を支援するもの。資金の特徴のひとつは借入金のうち残高の8割を自己資本とみなせる点だ。自己資本比率の悪化を防げ、他機関からの融資が受け入れやすいというメリットがある。2つめに18年の融資期間のうち、据置期間が8年と長い点だ。初めの8年間は利息のみの支払いでよいことから、立ち上げ時の資金支援となる。その他にも無担保・無保証人で利率は毎期の配当に準じた設定となることがある。
現在同融資を行っている法人は、全国で9先にのぼっている。