農政・農協ニュース

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宮崎県で口蹄疫疑い事例を2件確認

 4月20日、農林水産省は宮崎県で口蹄疫の疑似患畜を確認したと発表した。21日午前には同県内で2例目も確認された。農林水産省は20日に口蹄疫防疫対策本部を設置し防疫措置を実施している。

20日夕方に開かれた委員会 1例目は4月9日に症状から疑いが持たれ経過観察をしていたが、20日未明に動物衛生研究所による遺伝子検査でウイルス断片が3頭で確認された。
 発生農場は宮崎県児湯郡都農町の繁殖牛農家(16頭)。感染が疑われた時点で飼養牛の移動を自粛していた。
 現在、発生農場から10km以内を移動制限区域、20km以内を搬出制限区域(区域内の移動のみに制限)としている。
 また、感染経路等を究明するため農林水産省は原因究明チームを設置することとしており、4月9日から1週間程度遡って、発生農場に出入りした関係者を調べていくという。また、1km以内の農家を対象に牛、豚の抗体検査も行う。
 今後、ウイルスが分離されれば患畜となる。
 2例目は1例目の農場から南東約3kmの農場で、21日明け方に遺伝子検査で陽性が確認された。農場は川南町の酪農・肉用牛複合経営農家(65頭)。
 口蹄疫は牛、豚など偶蹄類の病気で人間に感染することはない。発生した場合は家畜伝染病予防法に基づき殺処分が義務づけられており、感染牛の肉や牛乳が市場に出回ることはない。
 日本での口蹄疫は平成12年3月に92年ぶりに宮崎県、北海道で発生したが、同年の9月に清浄国に復帰していた。
 現在では中国、韓国等で発生している。感染経路について、農水省の牛豚等疾病小委員会の田原健委員長(鹿児島県家畜畜産物衛生指導協会事務局長)は「(一般的には)輸入粗飼料、人との関係が考えられる。とくに中国、韓国で発生しているので、それらと関連があるのかないのか、これからの調査が大事」と20日夕方に開かれた委員会(写真・上)後に語った。

(2010.04.21)