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「全国のJAから応援がほしい」  口蹄疫で―JA尾鈴

 宮崎県で発生が続いている口蹄疫は、5月11日に新たに川南町で3例の疑似患畜が確認され発生事例はこれで71例となった。殺処分対象家畜は7万7000頭を超えた。

畜舎の消毒を行う(写真:宮崎県庁より) 11日午前、都農町と川南町が管内のJA尾鈴の養豚部会長、遠藤威宣さんと電話で話すことができた。
 「まったく獣医が足りない。1時間でも早く殺処分しなければウイルスがどんどん拡散するのに、まだ何万頭も手がつけられていない。今の対策では追いつかないのではないか。感染拡大を防ぐためのもっときちんとした方針を国は示してほしい」という。県のまとめでは11日現在で3万頭以上がまだ殺処分できていない。
 養豚部会は38人の農家でこだわりの飼料を使って良質の豚肉生産にがんばってきた。後継者も多い。が、「半分の部会員が被災しました。頭数にして3分の2を失った……」。本紙記者がかつて取材で訪問した農家も被災したと聞かされ「今朝から殺処分です」との言葉に胸がつまった。
 JAも24時間体制。職員は全員が応援体制だが、あまりの発生件数に「みな疲れ切っている」という。
 「再生のことも考えなければと思うが、とにく今は終息させることで精一杯。全国のJAから応援がほしい」と遠藤さんは訴えている。


(写真)宮崎県庁より

(2010.05.12)