◆農産物の供給元は1000超
JAタウンの出店数は現在93店で出店者はJAグループに限られているが、商品の供給元は個人農園も含めて1000以上となっており「生産者と消費者を安心で結ぶ懸け橋」としての機能を発揮している。
JA全農が全国の実務担当者を集めて開いた研修会ではショップ運営者の体験発表も行われた。
福岡県のJAにじは平成20年からJAタウンに出店。21年度は前年比131%販売高が伸びて約830万円となった。
佐藤賢二店長は女性スタッフとともに、インターネットショッピング用に商品のラッピングを工夫した。梱包資材を自ら用意し試作品をつくるうちに商品とともに説明パンフレットも添えるなどのアイデアも出てきたという。また、農家に足を運び出荷協力も依頼してきた。
「ネット販売で本当に売れるのか?という声もあったが、1軒あたり月に10〜15万円の売り上げになり今は喜んでもらっている」。 JAに生産部会のないタケノコ、キンカン、ブルーベリーなどの品目を販売しているほか、女性部の協力でキウイのアイスクリームや柿チップなど加工品も増やして品揃えを充実させてきた。利用者のうち6割がリピーターで、JAタウンでの取引をきっかけに大口取引に結びついたケースもあるという。
(写真)JAにじ・佐藤賢二店長
◆特産のリンゴ販売に貢献
全農青森県本部では営農対策部販売企画課がJAタウンを運営している。研修会では担当の川口憲悟さんが報告したが、21年度は1470万円と前年比300%も伸び大きく躍進したという。
リンゴの販売では品種、サイズと重量(5kg詰め、10kg詰めなど)を組み合わせた規格を考え、りんご単品で40以上もアイテムを用意し商品登録するなど消費拡大キャンペーンを行った。
また、ジュースもビン、缶、ペットボトルと容器別で品揃えしただけでなく、ストレートジュース、濃縮還元ジュースなど製法でも商品を分けた。こうしたきめ細かな商品構成でこの1月からの3か月でFAX注文も含めて2200件を超える申し込みがあったという。 今後の課題として適正に利益を出すための仕入れ原価と売価について産地JAと綿密に協議することや、販売代金の回収方法の検討などを指摘した。
研修会では22年度の重点事項として(1)ショップのファンづくり、(2)品揃え、売り場の拡充、(3)インターネット広告を利用するなど集客の強化を確認、JAタウン全体の売り上げで6億5000万円をめざすことにしている。
(写真)JA全農青森県本部・川口憲悟さん