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口蹄疫による死亡家畜も補償対象に検討―殺処分の遅れで

 山田正彦農林水産副大臣は5月24日の臨時会見で、口蹄疫発生で殺処分対象となった疑似患畜の牛や豚が処理の遅れで殺処分前に死亡した場合も補償対象とするよう、「実情に即した対応をできないか、検討したい」と述べた。

臨時会見する山田農林水産副大臣 山田副大臣によると5月24日現在で埋却できていない対象頭数は6万8441頭だという。23日には8000頭が新たなに疑似患畜となったが、同日に埋却できたのは322頭となっている。
 JA尾鈴によると5月20日現在で5月7日に発生した農家がまだ埋却地が決まらず殺処分ができていないという。
 今回の政府の対策では殺処分された疑似患畜に対しては評価額全額を手当金として畜産農家に支払うことを決めているが、家畜伝染病予防法上の殺処分とは、生きている家畜が対象で死亡家畜は対象にならない。
 しかし、埋却地が決まらないことから殺処分が遅れ、体力の弱い子豚などで口蹄疫ウイルスの感染によって死亡してしまっている例も現地ではでてきた。
 会見ではこうした事例について「法律上の解釈はそうらしい(対象にならない)のですが、私はそうは思いません。できるだけ実情に即した対応をできないか。補償ができるようなかたちでできないか検討させてもらいたい」と述べ、手当金支払いの対象とする考えを示した。
 埋却地については宮崎県は県農業大学校や農業高校の敷地、川南町などでは町有地の提供も準備を進めているほか、現地対策本部長の山田副大臣は24日、首相官邸に対して自衛隊の新田原航空基地周辺に国として埋却地を設定するよう要請したという。

(写真)臨時会見する山田農林水産副大臣

(2010.05.25)