これによると表のように、尿素など窒素質肥料は、原料となるアンモニア、ナフサの価格等の上昇から値上げとなった。
一方、りん酸はりん鉱石価格が昨年同期に比べ低い水準にあること、カリも市況が昨年後半より下落したことから値下げとなった。
また、製造諸経費は、原油、ナフサ価格の上昇から値上げとなった。しかし、為替は昨年に比べ円高となっており、「円高を最大限に反映した」と全農では説明している。
全農によると、高度化成一般(15-15-15)は、昨年に続く値下げとなったが、価格高騰前の価格(19肥年度)に比べて112%、ピーク時(20肥年度)の約8割を戻した水準にあり、19肥年度に比べ依然高い水準にある。
全農では、為替や海外肥料原料価格の変動に柔軟かつ迅速に対応していくために、22肥料年度から秋肥(6〜10月)と春肥(11〜5月)の年間2本価格体系に移行。今回がその最初の価格決定となった。
今後も海外原料情勢は予断を許さない状況にあるので、全農としては引き続き▽原料の安定確保対策、▽施肥コスト抑制対策、▽物流コスト低減対策を継続して実施していくが、とりわけ土壌診断に基づく「PKセーブ」の普及促進の取り組みを強化していくことにしている。