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米粉100%パンの新技術を開発  農研機構

 農研機構の食品総合研究所は、グルテンを使わない米粉100%のパンの製造技術を開発したと6月2日、発表した。

 これまで米粉パンの製造にはパンを膨らませるために小麦由来のタンパク質「グルテン」の使用が不可欠だった。しかしグルテンを使用した米粉パンは、小麦アレルギーの人が食べられないという問題点があった。
 今回開発された技術は、生物の体内に存在し、サプリメントにも使用されている「グルタチオン」というトリペプチド(3つのアミノ酸からなる化合物)を使用するというもの。「グルタチオン」を醗酵前のパン生地に加えることで小麦パンと同じ構造が生まれ、パンを膨らませることに成功した。
 また、グルテン使用時に必要だった食塩もいらなくなるため、減塩食品の開発にもつながる。今後食品会社などとの共同研究によって「グルタチオン」の市販化に取り組んでいく。新技術をパン以外の米粉製品開発に応用することで米粉の消費拡大にも期待できるとしている。
 

「グルタチオン」の添加でパンの容積は約2.4倍に(無添加・左/添加時・右)
(写真)「グルタチオン」の添加でパンの容積は約2.4倍に(無添加・左/添加時・右)

(2010.06.04)