農政・農協ニュース

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日中農業のさらなる交流発展を 農文協・亜農交が記念シンポジウム

 農山漁村文化協会(農文協)は6月5日、日本出版クラブ会館(東京・新宿区)でシンポジウム「中国農業の現在を知る、学ぶ―東アジア型農業の根幹 家族経営とその組織化―」を開いた。これは同社創立70周年と亜細亜農業技術交流協会(亜農交)創立50周年を記念したもの。国内外から180人以上が参加した。

あいさつを述べる濱口農文協会長(写真)あいさつを述べる濱口農文協会長

 

 農文協が中国と交流を始めたのは1985年。同社の書籍を中国農業大学などに寄贈したことで始まった。中国で2000年も昔から行われていたネギ・ニラ混植を紹介するなど中国の農法を学びながら、日中の農家同士の交流、団体や企業などの協力体制の組織化、出版物による文化活動の発展、などを活動の柱に交流を深め、07年からは亜農交とも協力して農業技術や専門家の相互交流を行ってきた。
 例えば、00年に行った長野県と河北省鹿泉市との酪農交流では、10回以上の活動を経て鹿泉市の酪農規模は10倍に成長し乳量も大幅アップ、長野からの参加者は牛の運動量を増やすなどの技術改善につなげ、双方の発展につながった。
 今後は、農家同士だけでなくJAや資材メーカーも巻き込んだ交流活動の展開をめざしている。
会場には席を増設しなければ入りきらないほど多数の参加者が詰め掛けた。 農文協の濱口義曠会長は「日本の農業は多面的困難に直面している。中国の伝統農法や稲作、有機農業の現状を聞けるのはまことに嬉しい」とあいさつし、このシンポジウムを機に日中の農業交流がさらに発展することを祈念した。
 シンポジウムでは中国から、張暁山氏、趙陽氏、趙亜夫氏、王建民氏の4人が、それぞれ農民専門合作社や農民の組織化、中国での有機農業や稲作の現状などについて報告した。パネルディスカッションは、亜農交の今村奈良臣理事長とJA―IT研究会の黒澤賢治副代表を交えて行った。

(写真)
会場には席を増設しなければ入りきらないほど多数の参加者が詰め掛けた。

(2010.06.07)